ビジネスマンではない父より息子への果てしない手紙

人生の荒波に乗り出した息子たちへ

働くことについて考えてみる(3)

「自然から何かをもらってまた自然に何かを返す」という営みを繰り返しつつわれわれは生きている。
無人島でのサバイバル状況なんかだと、それはより明確になる。
人類全体として考えてもそういう営みを行っていることに基本的な違いはない。

しかし実際のところ私達の多くは、日々の糧を直接田や畑から収穫することはない。
ましてや海で魚を穫ったり牛や豚を屠ったりすることもない。
自然との接点を誰かに担ってもらっている。

逆にまた、自然に近い暮らしをしている人でも、いろいろな道具や工業製品、それにたとえば電気やガスなどのエネルギーはすべてを自分で賄うわけにはいかない。
社会生活を営み役割を分担することで、個人や家族単位で暮らすよりも私達は「豊かな」(=「時間を効率的に使える」)人生を送ることができる。

また分業化にともなって文明が発達し、私達は、短い人生の間に昔の人よりもすごくたくさんの活動ができるようになった。この分業化された営みのことを「仕事」や「職業」などと呼ぶのである。
そして私達は、個人としてあるいは企業に所属してこの仕事を分担する。これを「就職」という。