ビジネスマンではない父より息子への果てしない手紙

人生の荒波に乗り出した息子たちへ

男どうしあるいは自己の存在について

古い日記を読み返していたら、2008年5月の記事に「へー、こんな話をしてたこともあったのか」と驚かされたので全文引用する。 
ちょうど長男が高3で次男が高1の年だ。

昨日は息子たちは代休で、夜になって二人とも焦って週末課題をやっていた。

こいつらはなぜか勉強机ではなく、いつも食卓の回りでノートをひろげる。

特に昨晩は妻がテレビを消して早く寝たので、居間には読書をする私も含めて、男三人だけになった。

しばらくして、それまでノートに向かっていた次男がふいに顔を上げて

「父さん」と言う。

「なんだ」 

「宇宙が膨張しているって、本当?」

「うん」

「宇宙ってすごいよね」

 

 会話を逐一追うと長くなるので端折るが、このものすごく広大な宇宙に対して、人間(あるいは自分)という存在のちっぽけさを切実に感じているようだ。

長男も話に参加してきて、

「オレはむしろ『あの世』がどうなっているのか知りたい。どっちみち人間っていつかは死ぬから」

などと言う。

「50億年後に地球は太陽に飲み込まれるし」 

「そう考えるとテンション下がるよな」

「うん、萎えるよな」

と二人で頷きあっている。 

「そういう考え方を虚無主義とかニヒリズムっていうんだ」と教えてやった。

「虚無が世界を覆おうとしている。君らはそれを救うために冒険の旅に出ろ」 

「どうやって救うんだよ」

お姫様を助け出す

「ピーチ姫かよ」

「父さん何ばかなこと言ってるの」

「・・・ま、まあアレだ。父さんは、そういう虚無感を救うのは『笑い』だと思ってるんだが」 

「最近の芸人はイタいよね」

「いやそういう笑いじゃなく」

 

・・・2時間いろんなことを話した。

話はかみ合わなかったし、息子らの宿題もけっきょく終わらなかったが、とても楽しかったぞ父さんは。